しばらく重い沈黙が続いた。

「報告をお願いします」

その人が口を開くと、すぐに男性が話し出した。

「はい。やはり、爆弾が仕掛けられていました。恐怖を与えて殺そうとしたのでしょう。残酷なものです」

「船の一部は回収し、厳重に保管されています。これで証拠が一つ手に入りました」

女性も続いて言った。

「ありがとうございます」

その人は微笑み、小屋の窓の外を見つめた。海は昼間とは違う景色を見せている。黒い地平線にその人は見とれた。

空を見上げれば、宝石のように星が煌めいている。その輝きは、どんな美しい宝石にも劣らないものだ。

「……暮らしはどうですか?きちんと食事を摂っていらっしゃいますか?」

空を見つめ続けるその人に、女性が訊ねる。

「私は…今、とても幸せです。このまま時が止まってしまえばいいのに……」

女性の方を向いたその人の目は、とても悲しげでそれでも美しい緑を見せていた。