俺の同僚曰く、世界平和はどんちゃん騒ぎと笑顔でできている「上」

「……俺はお前のようにセンスはないぞ」

「じゃあ似合ってるかどうかだけ!ね?」

リリーに手を引かれ、俺は強制的にドレスを選ぶことになった。

ドレスを選ぶことは、リリー本人よりも店員の方が乗り気だった。次々とドレスを持ってきて、リリーに試着させている。

身長が百七十五センチもあり、綺麗な栗色の髪と青い目を持った美人というのが理由だろう。黙っていればたしかに美人だ。

「リーバス!このドレスどうかな?」

リリーが青いドレスを着て恥ずかしそうにはにかむ。リリーが着ているのを見たことのないロング丈のドレスだ。

貴族の格好など絶対に着たくないし、誰かが着ているのも見たくないという気持ちがあった。しかし、リリーが着ているとつい見惚れてしまう。そんな考えはどこかに吹き飛び、目の前の光景に魅入ってしまう。

ああ、やっぱり彼女はーーー……。

「リーバス?」

リリーが首を傾げる。俺は慌てて言った。

「わっ、悪くはないぞ!ただ……何というか……」

俺はたくさん並べなられたドレスを見た。もっと似合うものがあるに違いないと思った。