俺の同僚曰く、世界平和はどんちゃん騒ぎと笑顔でできている「上」

「え〜!ずるい!教えてよ〜」

そう言うリリーに、アレックスが声をかけた。

「リリーとリーバスも早く買ってきてよ!お腹ペコペコ!!」

「は〜い!」

リリーは俺に「行こう!」と声をかけ、スーツを数着手に取り始めた。俺の体にスーツを当て、真剣に何かを考えている。普段見ることのないリリーの表情に胸を高鳴らせる自分がいた。

「やっぱりこっちかこっちかなぁ……」

そう言ってリリーが悩んでいる二着は対して変わらないような気がする。

「リーバスはどっちがいい?」

「俺はどちらでもいいんだが……」

そう言うとリリーは俺の手に二着を押し付けた。

「じゃあ試着してみようよ!私が似合うかどうか見てあげる!」

そう言いリリーは笑う。

俺はリリーから顔を逸らすように、たくさん並べなられた綺麗なドレスに目を向ける。男性のスーツは似たようなものに見えるが、やはり女性が着るドレスは色とりどりで華やかだ。

「俺のスーツを選んでくれるのはありがたいが、お前はドレスを選ばなくていいのか?こんなにたくさんあるのに……」