参加する人の中には著名人もいるらしいが、貴族のことだ。どうせお金持ちで貴族と対して変わらない地位にいる者を招待したに決まっている。

貴族のパーティーなど、招待されたのは初めてだ。しかし、招待されたからといって嬉しい気持ちがあるわけではなく、むしろ逆に嫌だった。

貴族たちは話題の世界平和対策本部にいる一般人には親切心を見せ、その他の一般人のことは嘲笑っている。そんな人間がたくさんいる場所に好き好んでいく奴はいないだろう。

しかし……と俺の頭の中にリリーが浮かぶ。

貴族のパーティーを欠席するということは、リリーのことも拒絶することにならないのだろうか?不安が胸に押し寄せる。

貴族とは思えないが、リリーは貴族なのだ。俺の嫌いな世界の人間なのだ。

このパーティーは、貴族との距離を縮める最大のチャンスなのではないか。一般人の魅力を知ってもらえるのではないか。

そう思うとこの招待状も無駄にはできない。