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ガラス窓が、ぴし、と鳴る。


窓の外は桜。桜の花びらが舞ってる。




個室には、ケツメイシの「サクラ」。




『…「さくら」の付く曲は沢山あるけど
 これが一番好きって、言っていたね』




…君の視線は窓の外。


落ちていく花びらの行く先。




『…あなたに、そんな傷を
 のこしたくないのよ』


『……』




『…ごめんなさい。ありがと……でも
 お願い、無茶言わないで…』




僕は、桜が舞い落ちる音が、見える気がした。




『…「傷」だなんて、何、言ってるんだ?』


やっと彼女はふりかえる。




―――−−この時の、あなたの表情、ワタシわかる。きっと、あの、少し寂しそうな、―――−−




『「傷」じゃない。それは、僕の「誇り」
 だ。一生分の。』




−−―――会った事の無い、彼女の表情まで、わかる。

きっと、涙がこぼれた、ぽとり、と。


少し寂しそうな、でも一番優しい瞳で、あなたがいるから。

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