「俺さ、教師やめんだよ」
先生から出た言葉は、全く予想していなかったもの。
「白浜グループって知ってる?」
「ホテルの…?」
「あれ、俺の親父が経営してんだ」
さっきから、頭がついていかない。
私には言葉が難しすぎる。
「俺に与えられた期間は短い。25までは自由をもらってんだ」
「…その後は?」
「海外に飛んで、親父を継ぐ」
じゃあ、私が卒業したら先生はいないの?
「それに、生まれた時から結婚する相手は決まってるんだ」
頭に強い衝撃が走って、何にも言えない。
…何にも、考えられない。
「まだ5回しか会ったことねーけどな」
そう言って笑う先生は、寂しそうで。
今にも消えてしまいそうだった。

