気を遣ってくれる2人には申し訳ないけど、少しの我慢も必要。
空元気をだして、ニコっと笑うと伊藤先生は少し悲しむような顔をした。
「だってさ。早く行きなよ」
手はまだ繋がれているのに、私の言葉に棘を刺す先生は本当にズルい。
本当は乗りたかった…なんて今さら贅沢なこと言えない。
「じゃあ俺がもらうね」
「え?」
「俺と乗ろっか」
そう言うと伊藤先生は、上がっていた途中の階段を引き返してきて私の手を握る。
体は勢いよく引かれて、ずっと繋がれていた白浜先生との手が簡単に離れた。
通り過ぎる、アミ先輩にも本当に申し訳ないことをしてしまった。

