「れーんー!」
「恋ちゃん頑張れー!」
「すごいぞ江夏!」
クラスの前を通ると、聞こえてくる応援。
私を優しく包む、声援。
残り半周を切った時に、私は落ち着いていたスピードを上げた。
グングンすすむ自分の足に、自分でもびっくりする。
最近、運動してなかったからこんなに走れるとは思わなかった。
そして4分の3を切った時、2走目の女の子が私に手を振っているのが見えた。
現2位のクラスとどれだけ差が開いているかわからないから、最後まで手を抜かずに走る。
そしてもう少しでバトンが渡るという時、他のクラスの2走目の子がいきなり飛び出してきた。
もう距離も距離だったし、慌ててそれを避けながら、クラスメイトにバトンを繋ぐ。

