時は進み、9月になった。


今日は待ちに待った体育祭当日。



4月の頃から委員会で集まって毎回決めていたことは、この日のことだったらしい。





「恋ちゃん、元気ない?」


「っえ?!ううん!ぜんっぜん元気だよ!」





グラウンドに出て、クラスカラーのハチマキをしているクラスメイトにそう言われて、我に帰る。


みんなの前では、忘れなきゃ。





「恋ちゃん!髪結んでくれない?」


「うん。いいよ」





女の子はみんなキラキラしていて、好きな人とハチマキを交換したり、可愛く髪を結んだり。


素直に羨ましい。





「恋」


「ん?」


「ん」





クラスボードを持って、入場門に並んでいると隣にいる啓太が、ハチマキを差し出した。