そして時は進み、中間テスト期間に突入した。
1日目は数学。
私の勝負の日だ。
チャイムが鳴って、配られた問題用紙を表に向けると、啓太が山を張ってくれたところばかりで。
いつもウザいことしかしないあいつに、心から感謝した。
問題もスムーズに解いて、わからない箇所が1つもないくらいに。
見直しも3回して、もう完璧だと思った。
テストでこんなに勉強して、こんなに快感を覚えたのは生まれて初めてだ。
「止め」
終わりのチャイムが告げて、数学のテストは回収されていく。
「え!恋ちゃん勉強したの?!」
「ふふーん」
って、クラスメイトに言われるくらい本当に勉強してなかったんです私。

