「教えてほしい?」
「んー…まあ、どっちかって言うと?」
「素直じゃねーのな」
そう笑うけど、なんだかんだ啓太は優しい。
私の筆箱からペンを取って、問題を考えてくれるんだもん。
「で?目標点数は?」
「もちろん100点!」
「…は?」
いや、こっちが、は?
私が目標点数を言った後、啓太の動くペンはピタリと止まった。
え、…は?
「お前どうしたの」
「なにが?」
「勉強好きにでもなった?」
そんなわけないじゃん。
勉強なんて世界で1番嫌いだよ。
「目標ができた…かな」
心ではなんて言おうか色々思ったけど、無意識に出た言葉はこれだった。
でも、その言葉に間違いはない。

