家に帰って、数学の教科書を開き、見たことのない公式と睨めっこする。
…初見。
初見、初見!初見!初見!!
こんなのいつ習ったんですか!
「お前何してんの」
「っわあ!びっくりした!!」
開いたばかりの教科書の上にグタッとしていると、扉の方から声が聞こえた。
「見ればわかるでしょ!勉強してんの!勉強!」
「明日雪でも積もんのか」
失礼なこいつは、私の隣の椅子に座り、一緒に教科書を見つめる。
「啓太って何で賢いの?」
「は?」
「え?なに?」
学校もサボったりして、遅刻もする私がこんなにも馬鹿なのはわかる。
なのに、同じことしている啓太は学年でも上位に入るほど賢い。
この差って、なに?

