早くここから逃げたい。
先生の顔が近くて、そんな場合じゃないのに心臓は２つの意味で早まっていく。
「俺まだ何も言ってないけど？」
そう言葉を吐き出す先生は、さっきと同じで冷たいもの。
どうやらこっちが本物らしい…
「それに、見てただろ？」
そう言われて、何も言えずに俯いた。
それと、不思議だった。
優しいキラキラした先生を好きになったのに、こんな冷たい先生を知って嫌いになれないなんて。
「…ねえ先生」
「俺の質問無視してんじゃ…」
「好きになってもいい？」
自分でも何を言っているんだって思った。
こんなこと今言う時じゃないし、ましてやこんな体勢なんてなおさら。
