「もう、ちゃんと…」
今のって…
「せっかく会いにきたのにこっち向かねーの?」
「先生っ…!」
振り向けば、本当にそこに先生がいた。
抱きついたら、大好きな香りが鼻をかすめてポロポロと無意識に涙が溢れる。
こんなに寂しかったんだって、改めて気づかされるなあ…
「すぐ泣くのな?」
「先生のせい!」
この数ヶ月、いつも画面越しで顔や声が聞こえても温かさも香りも感じられなかった。
何度画面に手を伸ばしても、触れることはできなくて、先生のベッドに寝たところで匂いに包まれれだけで。
寂しくて、そうする度に胸が痛んだ。
「すごく…すっごくすっごく会いたかった…」
「俺も」

