先生はめんどくさがり。



『朝から夜まで経営の勉強ですよ。ペン持ちすぎて手が痛え』


「…無理しないでね」


『無理しねぇと早く会えないの』


「…好き。大好き。先生」


『電話するたびにそれ言うのな』





何回言っても足りない。


電話するたび、声を聞くたび…会いたいと好きがどんどん積もる。



きっと私に、遠距離恋愛は向いてない。





「先生…私ってバカだったよね」


『は?』


「でも、大学決まったよ」


『マジで?どこ?』





私に興味を示してくれる、珍しいその声を聞いたら、脳裏に先生の顔が浮かぶ。


それだけで、泣きそうになった。