「で、いつまで隠れてんの」
その言葉が聞こえた時、背中がピンとした。
もしかして…
「江夏恋ちゃん」
バレてた…?
だけど、今さら素直に出れない。
どう反応して出たらいいの?
笑いながら?軽蔑しながら?
なんて考えていると、足音はこっちに近づいてくる。
…どうしよ。
どんな顔しよう。
頭はグルグル回るけど、思い通りにはいかない。
先生の足は、私の前で止まり、膝はサッと折り曲がった。
「かくれんぼでもしてるの?」
そう笑顔で言うけど、さっきの冷たい声や目が頭から離れることはない。
どっちが本当?
あれは演技なの?
「あの…えっと…」
「それとも居残りで勉強?」
「私…誰にも言いませんから……」

