机の中を覗くと、間違いなく私の携帯が入っていてホッと胸をなでおろした。
今度こそブレザーのポケットにしまって、教室を出ようとした時。
「…ね………いい…しょ」
「…だ………よ…」
廊下から、途切れ途切れの声が聞こえた。
それは次第に近づいてきて、私がいる教室の前までくる。
…え?どうするべき?
え、待って。
どうしよう?
1人でパニックになった私は、咄嗟に教壇の下に隠れた。
近づいていた声は、ガラガラっと音を立ててここに入ってくる。
嘘でしょ…
まじで運なさすぎる…
そう思いながら、携帯をマナーモードにしてカバンをギュッと握りしめて目を瞑った。
そういう行為に至りませんように!!!!

