でもこの子を見たらわかる。
今からされることなんて。
「俺、2年の頃から江夏のこといいなって思ってて…町田と仲良いし、勝ち目ないのわかってるけど」
連れてこられたのは、非常階段。
まだ夜の風は冷たくて、その風が私たちをなびく。
「…付き合って下さい」
頭を下げて、そう言ったクラスメイト。
「…ごめんなさい」
「だよな」
「……好きな人がいるの」
そう言って今度は私が頭を下げた。
好き。
その言葉を出して、先生を思うだけで胸がこんなにも苦しい。
「気にしないで。今まで通り、また仲良くしてくれよな」

