「私がいたら、マナミさんが傷つきます。今日はもう帰りますね」
もうこの空間にいたくなくて、置いていたカバンを持ち上げようとすると反対側の手を引かれた。
「それでも良いって言ったのお前だろ」
先生の冷たくて低い声が、響く。
そうだよ。
私がそう言った。
だけどもうこれ以上邪魔したくない。
先生の冗談で、周りを傷つけるのはもう嫌だ。
「それとも…」
「辛いんです…!もう疲れたの!どんなに頑張ったって、先生は違う人のものになるじゃん!」
気がつけば、私はそんなことを言っていた。
こんなこと、先生に言っても仕方ないのに。
「違う人と結婚しちゃうし、それならもう先生から離れたいよ……」

