やっぱり私の幼馴染みは、裏切ったりしない。
どうせジュースでも買ってきてくれたんでしょ?
そう思いながら、落としたホッチキスを拾い、扉に目を向けるとそこにはあり得ない光景。
「あれ、江夏1人?町田は?」
白浜先生が立っていて、私を見ている。
初めて目あったかも…
なんてボーっとしていると、プリントを見てまた口を動かせた。
「それ1人でするの?」
心配そうな、優しそうな声。
委員会中も思ったけど、たまにノリもあっていい先生だと思った。
「あ、えっとー…啓太、家の用事で帰っちゃって」
本当のこと言ったら怒られるかもしれないから、優しい嘘をついてあげた。
あのバカヤロウのために。

