次の日。
先生の婚約者さんは、本当にやってきた。
ダルそうに、昇降口にある傘立てに腰掛けていたけど。
来客用の名札を持った美人さんが、こちらへ歩いてくるのが見えて、背筋が勝手に伸びる。
「こんにちは」
「こんにちは。江夏恋さんよね?譲さんから話は聞いているわ」
話し方も、何もかも上品で、美人で眩しい。
優しそうだし、フワリと笑う笑顔がとても素敵な人だ。
「私はマナミ。恋ちゃんって呼んでもいい?」
「もちろんです。私はマナミさんってお呼びますね」
マナミさんを見ていると、自分の底辺さがすごくわかる。
こんな人に勝てるわけない。
見た目だって、きっと中身だって。

