「お前、なんか今日変だろ」
そう言って先生は、遠かった私に少し近づく。
今から私は、大好きな先生と少しずつ離れていくんだよ。
だから先生も、思わせぶりな態度はもうやめて。
…なんて。
心でそう言っても伝わるはずなくて、距離はどんどん縮まる。
それが嬉しい自分も、もう嫌になる。
「なあ、聞いてんの。恋」
先生は、本当にずるいよ。
こんな時まで名前で呼ぶなんて、聞いてないよ。
「何があったわけ」
「ただ純粋に、先生の大事な人案内したいな…って思っただけだよ」
私だって、大人な対応くらいできる。
もう17だよ。
「ふぅん。なんか生意気」
そう言って、先生は私の唇を指でなぞる。

