次の日。
また先生に珍しく呼び出された。
数学準備室に入ったら、腕をぶらんって下にダルそうにおろして、窓枠に座ってる。
「失礼します…」
いつもみたいに先生に飛び込んでいく元気はなく、力なくそう言った。
「…今日は来るんだ?」
私の声で振り返った先生は、嫌味たらしく言葉を並べる。
「…これからは、先生がいなくなるまで毎日来れる…」
「それが思ったより、早くいなくなりそう」
「え?」
「婚約者の女がさ、今すぐにでも結婚したいとか言い出して」
嫌だ…
ほんなの絶対嫌だ。
「あーあー。めんどくせぇよな」
不機嫌そうだった理由は、それか…
「でも…すごい綺麗な人で、見たことない顔で笑ってたじゃないですか」

