「何してたの?」
「啓太と…帰ってました…」
俯きながら小さくそう言うけど、先生はそんな言葉もしっかり拾ってくれる。
「生意気に他の男とイチャイチャしてたんだ?」
「事情があって…」
先生の声が、私にも、この教室にも、いつも以上に低く響く。
あー…心臓破裂しそう。
「ガキのくせに俺のことイラつかせるとか、いい度胸してんじゃん」
そう言って近づいてくる綺麗な顔。
その時に予鈴が鳴ったけど、先生は無視。
距離が数センチに縮まった時、私は目を瞑った。
…だけど。
いつまでたっても、くると思っていた感触がやってこない。
だから静かに目を開けると、いたずらっ子みたいに笑っている先生。

