次の日、いつもより早めに起きる。

まだ、6時か…。

今日の部活の練習は、8時半からだ。
このまま、すぐに準備して登校すれば着くのは7時過ぎだろう。


はぁ…。
しょうがない行くか…。



ため息をつきながら、ベッドから起き上がり
朝御飯をモソモソ食べて、着替える。

やっと、しっかり目覚めてきた…。

そして、
ボブにカットされた自分の髪を櫛で整える。

あたしも、涼香みたいに髪伸ばそうかな…。

なんて考えつつ、たっぷりと日焼け止めを塗り薄めの色つきリップを塗る。

もう一度、自分の姿を鏡で確認する。

昨日の告白の言葉が頭によぎる。
「小柄で小動物ぽいし、守ってあげたくなる」か…。

でも、やっぱりあたしは、中学生みたいだ…。

あたしが、化粧をする理由の一つが、童顔だからという理由もある。
化粧しないで、涼香と一緒にいるとよく妹と間違えられる。

しかも、悲しくなるほどの幼児体型
低身長で、胸もないに等しい。



綺麗な女の人になりたい…。

涼香のことは、大好きだけど羨ましい…。

涼香みたいな、
美人でスタイルがよくってで強くてカッコよくって綺麗な女の子になりたかった。
そしたら、昨日みたいな表面しか見てないみたいな告白もされなかっただろうし、
自分で男を撃退できたかもしれない。

それとも、告白してきた男の子達が、求めているようなかわいくて
ふんわりとした女の子らしくて、小動物みたいな可愛いげのある子に
なるのが、正解なの?

はぁ…。あたしは、どっちにもなれない…。
気が強くて、負けず嫌いで、男に媚びていると噂されようが、流行りのメイクをして、かわいくいたいしミニスカートを履いていたい。
お菓子作りや縫い物とかが苦手で、でも涼香ほど芯があってかっこいいわけじゃなくって、人に流されたりもするし、ワガママだし素直じゃない。
それが、あたしなんだ…。


私は、もう一度ため息をつきながら、家を飛び出した。