…………え~!嘘!嘘!嘘!ちょっと待って!
直樹が私を好き…?

嘘!

私は直樹の目を見つめた。
直樹の目は真剣で、嘘の欠片もなかった。
「…ホントに?直樹は私を好きなの?」
「うん。」

嘘みたい。ずっと、直樹が好きだった。叶わないって思ってた。…でも、叶ったんだ。

「私でよければこちらこそよろしくお願いします。」

直樹がフワッと笑顔になる。この笑顔がまた、見れるなんて。よかった。
「さくら、帰ろ。」
「うん。」




帰り道、夕焼けにうつる二つの影は、しっかりと手を握って進んでいたのだった…