向日葵だけが知っている

真っ暗な中に二人。こんなの何年ぶりだろうか。
「お姉ちゃん。」

「何?」

私は気になっていたことを聞いてみることにした。
「陸上部は?何で陸上部に行かずに演劇部に来てるの?」

一瞬、お姉ちゃんの顔が歪んだ。けど、すぐに戻っていつも通りの笑顔でお姉ちゃんは言った。

「実は…今、足を怪我してて…練習できないんだ。だから。」

「そっか…」
私は感じ取っていた。お姉ちゃんは嘘をついてる。まだ本当のことを言っていない。
…でも、それがなにかは私にはわからなかった。