「偶然ってすごいですよね。」
独り言がポロっと出てしまった。
光希先輩が私を見る。
「そうだね。」

ふたりのロッテを初めて読んだとき、私は自分とお姉ちゃんを想像した。この作品は少し私たちに似てる。
お転婆で元気なお姉ちゃん、優しい性格の私。

お姉ちゃんはルイーゼ、私はロッテ。


ふたりのロッテにはこんなシーンがある。
入れ替わったふたり、ロッテが通っている学校にルイーゼが通うことになるのだが、ロッテの学校にはいじめっ子がいた。ロッテは気が弱いので見ているだけで何も出来なかったがルイーゼは違う。
いじめっ子にこう言ったのだ。
「次こういうことをしたら許さないから。」

私はロッテだから臆病で。ルイーゼが羨ましくて。
ルイーゼはまた、私のことを羨ましく思ってくれてるのかな。
お姉ちゃんは私なんかと違って特別だから。