「私は…お姉ちゃんの陸上をする姿が大好きだったよ。誇らしかったよ。だから、本当は放送部に入りたかった。お姉ちゃんの走る姿を実況したいから。でも入れなかった。
…だから、仕方なく入ったのが…演劇部なの!」

ひまりが…放送部?
そうだったんだ…。

「演劇部のお陰で私は、少しずつ変われてる。お姉ちゃんはお姉ちゃん、私は私、新しい自分を見つけるって決めたの。
私は…向日葵になりたかった。でも、明るくなれなかったから。」

そこまで聞いて、私は気がついた。荒ぶっていた心は落ち着いていた。

辻井ひまり 向日葵のように明るく元気に。

辻井さくら 桜のように優しく。

でも、私は優しくなれなくて…直樹もそれで傷つけた。
ひまりは、元気になれなくて…それでも、少しずつ変われてる。