向日葵だけが知っている

…………
うー。やばいよ。心臓がバクバクしてる。

私は舞台袖からそっと、観客席を見た。

うわあ…。人多すぎだよー。
緊張でどうにかしてしまいそうだった。

舞台では、部長があいさつをしていた。

「ひまりちゃん…、緊張する演技を思い出して!大丈夫!」
光希先輩の励ましが温かい。


「それでは開演いたします。二人のロッテ!」
部長のその言葉とともに幕が上がって、私はシャンと背中をただした。

私は…今からルイーゼになる。