星降る夜はその腕の中で─「先生…私のこと、好きですか?」

 ぼんやり頭の中をそんなことが過った時、昴くんは私をしっかりと抱き留めた。そして私を腕に抱えたまま天井を仰ぎ、荒い息を押さえ付けるように整える。


「全く…舞奈が煽るから」

 昴くんは真っ赤な顔で呟くと私をホールにそっと座らせた。


「え…」

「意外と、何て言うか…スキルフルで…

 あ、いや、その…

 …ごめん」


(昴くん…?)


 昴くんがひとつ咳払いする。

「あのね、舞奈。大人の恋愛ってのはそういうことじゃないから。舞奈はいつも通り舞奈らしくしてればいいんだよ」

「……

 だって…昴くんばっかりずるい。いつも余裕で、私ばっかりドキドキさせられて…」


 唇を尖らせて俯くと、昴くんは私の前にしゃがんで顔を覗き込む。


「余裕なんかないし。今だってそう。俺がどれだけ自制してるか分かる?

 ずるいのは舞奈の方。純粋な可愛い顔して俺のこと誘惑して、どんだけ小悪魔なの」


 そう言って私の顎を摘まむともう一度ちゅっと小さくキスをした。


「さて」
 
 昴くんはさっと立ち上がってバッグとスーパーの袋を拾う。

「ペスカトーレ作ろうか」


 そして私の脇をすり抜けながら囁く。


「続きはまた夜に、ね」


「ふぇっ!?」


 昴くんがくすっと笑う。いつものキラキラの笑顔で。


「ほら早くおいで」


 昴くんが私に手を伸ばす。


「うん!」


 私は跳ぶように立ち上がると昴くんの手を取った。見つめ合い、もう一度口付けを交わす。