先生とのあの電話から1週間が経った。

 毎日していたメールはもう送ることもないし、届くこともない。
 当然声を聞くことも、顔を合わせることもない。

 それは辛くて悲しくてしょうがないことなのだけれど、私には嘆いている時間がなかった。
 こんな時でもただ淡々と受験勉強をしていつものように日々を過ごしている。


 そういう意味では自分でも驚くほど吹っ切れていた。

 泣いたのは泣きながら眠ったあの夜だけで、迎えた朝にはもういつも通り、いや、いつも以上に勉強に打ち込んだ。


 私に残されている先生との絆は、外大に行って研究をする、それを叶えることだけだったから。


 そうしたら先生とまたやり直せるかもしれない、とか、そんな甘い気持ちもそこにはなくて。
 ただ先生と一緒に過ごした時間を、先生を愛した事実を形にして遺したかった。

 その為にも今の私のすべきことは決まっていたから。

           *