試験週間中に私は18歳の誕生日を迎えた。


 一番に『おめでとう』と言ってくれたのは先生で、0時を過ぎて直ぐにメールをくれた。


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Date: 201x 12/12 00:01

From: Subaru Hatsuhara
〈xxx_pleiadesxx1212@……〉

Sub:Happy birthday

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誕生日おめでとう。

こんな時間にごめんね。
もう眠ってたかな?南条を起こしてしまっていませんように。

もし起きてたら、あんまり試験勉強頑張り過ぎるなよ。


I hope your birthday is full of good times all day long!

-END-
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 試験中は先生に逢えないけど、でもメールひとつで私は先生の『特別』なんだと思えて身体中が熱くなる。


(先生、大好き…)


私は幸せな気持ちで眠りについた。

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 翌朝、私が朝食を摂っていると

「おはよー」

と兄がダイニングに入ってきた。


「お兄ちゃんおはよう」

「おぉ、舞奈ハピバ!」

「ありがと」


 兄は私の向かいの席に座り、カップにコーヒーを注ぐ。


「なぁ舞奈」

「ん?」

「誕生日プレゼントなんだけどさ、『勉強教えてあげる券』と『肩たたき券』どっちがいい?」

「は?何そのラインナップ」

「いや、すまん…もうすぐクリスマスだろ。その…お金がなくて…」

「あーはいはい。碧さんのプレゼントは買えても妹にお金はかけられないってことね」


 碧さんは兄の彼女。綺麗で優しくておよそ兄には勿体無いような素敵な人で、兄は碧さんにベタ惚れなのだ。


「すまん舞奈…」

「どうせならもうちょっとスペシャルなことをやってもらえる券の方がいいなー」

「うぅ…わかった。じゃあ『何かスペシャルなことをやってあげる券』にしよう」

「どんな無理難題ふっかけるか必死になって考えよーっと」

「あんまり無茶振りはやめて~!」

「ご馳走さまでした。さぁって学校学校」


 私は兄に意地悪な笑みを向けるとダイニングを出た。

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