「今日も頼むぞ!!アルテミス!!」
軽薄そうな声。
だが、
「…アルテミス?」
「もしかして、アルテミスの化身?」
「あの、アルテミス?」
うつむいたままだった子供たちが、周りをキョロキョロと見まわす。
その様子に、私は思わず唇をかみしめた。
「お~い、アルテミス!無視すんなよ!」
「…私の名前はレトだ…」
そう怒鳴りつけたかったが、うなるように答えるにとどめた。
目立たぬように、髪もかぶった兜のなかに押し込めてあったというのに、コイツのおかげで台無しだった。
「アルテミス~今日も美人だなぁ~戦働きなんてやめて、オレのとこにくれば、旨いもの食い放題だぜ」
馬上からニヤニヤと人を見下ろしながら、さらに余計な事を言う。
デップリと膨れた、そいつの肩書きは中隊長。
中隊長コスマス。解放奴隷から出世し、市民になった成り上がりだった。
軽薄そうな声。
だが、
「…アルテミス?」
「もしかして、アルテミスの化身?」
「あの、アルテミス?」
うつむいたままだった子供たちが、周りをキョロキョロと見まわす。
その様子に、私は思わず唇をかみしめた。
「お~い、アルテミス!無視すんなよ!」
「…私の名前はレトだ…」
そう怒鳴りつけたかったが、うなるように答えるにとどめた。
目立たぬように、髪もかぶった兜のなかに押し込めてあったというのに、コイツのおかげで台無しだった。
「アルテミス~今日も美人だなぁ~戦働きなんてやめて、オレのとこにくれば、旨いもの食い放題だぜ」
馬上からニヤニヤと人を見下ろしながら、さらに余計な事を言う。
デップリと膨れた、そいつの肩書きは中隊長。
中隊長コスマス。解放奴隷から出世し、市民になった成り上がりだった。