「困ったもんですね」


看護師は本当に大変だと思い
彼女に話しかけた。



「本当に困ったものですね。
先生も、そしてあなたも」



(え?俺?)


驚いて立ち止まる


「俺、何かしました?」



立ち止まった僕の前に立った彼女は
笑顔だったが言葉に怒りがこめられてるように
感じた。



「いいえ。何もしてないですよ。
だから、いけないんです。
レントゲン技師さんって臓器だけ
撮影して確認してればいいんですか?
それでも良いと言う人はいるかもしれないけど
プロではないですよね。

なぜ、レントゲンが必要なのか。
せめてそれくらい調べてきても
いいんじゃないですか?

私達は資格を持ってるんだから
プロです。臓器じゃなくて人をみて下さい


では、失礼します」




やはり最後まで笑顔だった。



(俺なの?!)



いくら考えても自分があそこまで
言われる筋合いはないと思い
1日思い出すたびに苛々していた。