「レントゲン終わったんですね。
手伝えなくてすみません」


笑顔の彼女がちょうど病室に入ってきた。



「レントゲン削除になりましたよ。
本人の拒否が強くて。」



彼女は困ったように笑って
怒った患者に話しかけた。



「レントゲンなんで拒否したの?
朝から伝えてたでしょ?
これで家帰れるか決まるんですよ」


「うるせぇな。お前には関係ない。
聞いてないから受けないだけだ」



「これ以上悪くなってないかみないと。
お家に帰りたいでしょ?」


「家に帰れる保証ねぇじゃねぇか」



「何もしないで諦めるの?」


「…」




あんなに怒ってた患者が沈黙した。





「すいません!お願いできます?」



帰ろうとしていた僕を引き止めた。


今度は患者も抵抗なく検査をうけてくれた。




全て終了し病室から2人で出た。