ドサッ

「・・・うわっ」

2階にあったソファー席に体を放られて、ソファーの近くのテーブルにお酒を乱暴に置いたあと、先輩が私の体に覆い被さるように私の逃亡通路を塞いだ。

「何で未成年がここにいる?」
「それ、ブーメラン発言って自覚ありますか?」

睨んでるように見える目から顔を逸らすが、頬を掴まれて強制的に端整な顔と向かい合わせられる。

「質問に質問で返すな。答えろ。」

先輩の凄みが顔に表れる。
淡々と言われる言葉に息を飲んだ。

「先輩には、関係ないでしょ?っていうか、副生徒会長の人がここにいるのおかしくないですか?副生徒会長!!」
「お前もほとんど立場変わんないだろ。ブーメラン発言!」
「うっ」

副生徒会長を強調して言い訳をしてみたものの私が言っても効果が無かった。

「・・・・・・」

少しの悔しさとかなり気まずい空気に押し黙る。

「あのなぁ、俺言ったよな?答えろって」

この距離だと声というのは人の体に刻み込まれるように伝わるもので。

「頼んだんじゃない。命令したんだ。」

逃げられない。
そう諭すようなオーラがこの人にはあった。

この人、実はヤクザか何かなのかな・・・?そんな余計な考えが頭をよぎった。