恋する剣士

無表情の昴が2人へ視線をギョロッと向ける


2人の背筋が凍る


「軽はずみにあいつの名を口にしなかったことは褒めよう
だが… 二度と関わってくれるな
感情など手にしなければ、苦しむこともなかった
今、感情を手放すことに苦しんでいるのは
其方らのせい
もう、其方らが簡単に会える人物ではない、忘れろ」



身震いするほどの威圧感に、声を出せなくなる


昴は、平然と2人に背を向け、去っていく




これほどの男が、明を育て
自分達上にいて、世を動かしている



頼もしいというより
恐怖すら覚える



昴から、人らしいものが少しも感じられなかったからだ