恋する剣士

「蛤御門で我らと戦ってくれた… 彼は
元気にしてますか?」


近藤が予想外に機転を利かせ
明を〝彼〟と呼び、深い関係ということをふせた

土方が、昴の反応を覗う


「さぁな」


素っ気なく、はぐらかすその返答を聞き
ーーーああ、こいつに育てられたんだっけ

妙に納得して、昴をジロジロ見る


全く読めない無表情な昴
完全に心を操っていた

ーーー読めねぇ
   明がどうしているのか
   少しくれぇ教えてくれよ



「勇は、心配ばかりして
歳は、怖い顔して心を覗こうとする」



昴が言った



近藤、土方が驚く


「聞いた通りだな… 実にわかりやすい…」