恋する剣士

それから、しばらくして

明は、容保と2人きり



「昴が京に入ったやもしれぬ」



明は、少し考え微笑んだ


「そっか…」



逃げるなら、今しかない


容保は、明を見る


「容保君、ありがとう
昴君に捕まっても、友達でいてくれる?」

「当たり前だ…」

「ありがとう」


明の覚悟が伝わった


昴に捕まる可能性が高いのに
新選組と戦うことを選んだのだと


「アキラ… 其方… 」


新選組に想い人がいるのではないか?
聞いたところで、何もしてやれない
容保は、言葉を飲み込んだ


「牢に入れられるのは、やだなぁ」


「そうだな」



こんな相槌しか返せないことを不甲斐なく思いつつ
容保が穏やかに微笑む明の横顔を
綺麗だと心惹かれた