恋する剣士

明が手のひらを見つめる

「何もないと思ってたけど…
ちゃんと… あったんだな…」

駒乃が明の手を握る


「また会える!きっと!必ず!
うちは、この手を覚えてます!
もう一度、何度でも皆で宴しましょな!」


返答は、出来なかった
それでも、駒乃へ微笑む明の表情は、今までで1番
柔らかく、そして、幸せそうだった



「どこに行くんだ?」


「とりあえず晋作君と、小五郎君の縁あるとこに隠れる」

「桂、高杉 明を頼む」

永倉が頭を下げる

「お前に頼まれてもなぁ」

「るっせ!人が頭下げてんのに!!!」


同じ歳の永倉高杉も仲良くなっていた



「戦なんて、しなくてもいいと思わないか?」

「そうどすなぁ」




手を握ったまま
明と駒乃は、笑った