恋する剣士

そっと口づけをする


慶喜には、侍女達が明を拒む理由がわかっていた
正式な妻でないからだ

昴を引き離し、孤独にさせれば結婚を諦めるという計画も
わかっていた


こうして、口づけの痕をつければ
慶喜が明を大事にしていることが伝わると考えた




しかし





「慶喜様に色目を使うなど!汚らわしい!
自室に招き、そうまでして妻の座を狙っているのね!」



明へのあたりが酷くなった



「はぁ~面倒くさい」




さほど気にもせず

水浴びも慣れたもの
びしょ濡れの髪も慶喜に見つかればまた怒られる


部屋の中で乾かす

以前と違い、火鉢がある



ーーー昴、どうにかやっていけてるよ
   あと少し…
   あと少しだよ