恋する剣士

「やはり、其方は笑っている方が良い
して、名を教えてはくれぬか?」

「自分で名を名乗るの嫌で…
気が向きましたら…」

「他に知る者は?」

「新選組と兄上かな」

「そうか… だが、其方の口から聞きたい
夫となるのだ、それくらいの特別扱いはいいだろう」

「…そうですね
では、花見の後にお教え致します」

「言ったな?」

「ふふっ はい、言いました」



その夜も慶喜は、明の部屋へ


「嫁入り前なんですけど…」

「俺がいる方が寝れるようだからな」



少し話をし、慶喜の腕の中で眠りにつく

明の首筋に唇をつける


「んっ なに?」

目を開ける明に微笑む

「何でもない おやすみ」

「うん… おやすみ」