恋する剣士

片手で手拭いを絞り
明の額にあてる


「気持ちいい~」


微笑む明に慶喜の頬も緩む

「怒られません?」

「どうせ、結婚するのだから良かろう」


明は、しばらく慶喜に身を預け
手拭いの冷たさに目を閉じていた




「今日… ここを抜けたんです」










予想外の告白に明を覗き見る



「約束してたのに…
もう、逃げないって…
昴と約束したのに…」


「俺も、昴と約束した事がある
其方を守る事、それから…
もしも、逃げた時は、追わない事」