恋する剣士

久しぶりに歩く町

このまま黒谷へ行くには、勿体ない



町の雰囲気や人々の噂話など
江戸とは全然違うなぁと
楽しくなった頃

「おい!遅かったじゃねぇーか!!」

グイッと着物を引かれ、振り向けば

うん、やはり知らない男だ

彼は、驚き目を見開いていた
それはそうだろう
あからさまに人違いしたんだ


「迷子か!? 大変だ!!」


どうしてそう思ったのか…
不思議に思いつつ、連れて来られた屋敷で
呆れ顔の男に見詰められる


「待ち伏せしてたらこいつが…」


待ち伏せ?