恋する剣士

同じ母から生まれた女でも

きちんと娘に認められたのは、妹だけ



わたくしは、ここに相応しくない…



思い知らされた気がした



父、亡き後も母は、妹を手塩にかけ育てたのだ
わたくしは、いらなかったのだ


夜、警備の目を盗み
ヨタヨタと逃げ道を探すが、昴に捕まった


「姫、熱が…」

昴が心配する
その表情に嘘は、見えない

昴だけだ、ずっとそばにいてくれたのは…


「どこに行くつもりで?」

「わからない…」

「どこに行こうと構わぬが、俺は迎えに行くぞ」

「それなら… 」


…何を馬鹿げた事を言おうとしたのか
言葉を飲み込んだ


昴は、黙ってわたくしを抱え部屋へ