先生。



「信じなくていいから、俺のそばにいてよ」





見間違いかもしれないけど、先生の瞳が少し潤んでる気がした。





「…じゃあ、あの女と、もう二度と会わないって約束できる?」





少しの静寂が私たちを包んだあと、空気を読めないみたいに開いた玄関の扉。





「あら、潤」





そして、この空気から逃げるみたいにこぼされた言葉。



…ほらね。


結局は、私のこと好きだって言いながらあの女とは会い続けるんだよ。



そんなの嫌。


耐えられない。



そんな好き、信じられない。





「最低…」





私は最後に、涙ぐむ目でニコっと笑ってそう言ったあと、大嫌いな女をすり抜けて今度こそ家を出た。