「ん…せんっ……」
「なんで俺は教師で、お前は生徒なんだよ」
「せんせ…」
いつも大人の余裕がある先生が、今はない。
こんなに弱気な先生を見るのは、初めてだ。
「…今のなし。忘れろ」
「そんなの無理だよ！さっきの言い方だって私のこと！」
私のことが好きだって、どうしても認めたくないのは先生の方じゃん。
ああやってわざと冷たい態度取って、諦めさせようとしたの？
「これ以上、俺の中に入ってくんな」
「やだ！先生に好きになってほしいの！先生じゃなきゃ嫌なの！」
「無理だよ。俺には彼女がいて、その人にちゃんと向き合ってもらえなくて、寂しいからお前を利用してるんだ」
「嘘だ！だったらなんで！どうしていきなり冷たくしたりするの！」
「ただ単にめんどくさくなった。お前が」
