【聖南side】

「── ついたー!!北海道〜!!」




「寒い〜!早く建物入ろうよ、弥栄!」




「もー、聖南ってばこの程度で!若さが足りないよ!」




ブーブーと文句を言う弥栄を無視し、私ははぁ、と指に息を吹きかけた。




逆に不思議なんだけど、なんであんなにはしゃげるの?この寒さで。




「聖南ちゃん」




「ん?...わっ!」




振り向くと顔を両手で挟まれた。




あ、なんかあったかいかも...




「白波くん、手暖かいね?」




「でしょ?母さんにたくさんカイロ持たされたからさ」




「なるほど!」




カイロか〜その考えがあったか。



って言ってもあの超セレブで家中廊下でさえ暖房のついている月城家にはカイロなんてないんだろうな。



...向こう戻ったら買いに行こう。