「そういうところ、好き。聖南ちゃんだけはこれからも俺のそばにいて欲しいな」




なんて言って、春翔は私の頭をぽんぽんと叩いた。




「え...?」




急にどうしたの?




いま、“ 聖南ちゃんだけはそばにいて欲しい ” って...“ 好き ” って...



だんだん顔が熱くなってきた。




どうして私、こんな変人の言うことにドキドキしてるの...?




どうせ、深い意味なんてないのに。





「じゃ、ちょっと本社に呼ばれてるから行ってくるね」




「...う、ん」




── この日、私はなぜだかよく眠れなかった。